速度は速いのにゲームがラグい
速度テストは速いのに、対戦中だけ敵が飛ぶ。そんなときは契約速度を上げる前に、画面の描画と通信の遅れを分けてみてください。ゲーム内のFPS・Ping・ロスを同時に見れば、PCの設定を変えるべきか、回線を測るべきかが見えてきます。まずはいつものゲームを、配信や同期を止めた状態で試すところから始めましょう。
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まず、速度と応答の速さは別物です
Mbpsは、1秒間に運べるデータ量の目安です。一方、RTTは通信が相手へ行って戻るまでの往復時間で、通常はms(1000分の1秒)で表します。大きな更新ファイルを速く落とせることと、小さな操作情報が毎回すぐ返ってくることは、同じ条件ではありません。
ゲームで気にしたいのは、往復時間の大きさだけでなく、途中で遅れが跳ねたり通信が欠けたりしていないかです。パケットロスは通信の一部が届かないことを指しますが、WindowsのPingで数える返信の欠落と、ゲームが表示するロスは測る相手や仕組みが違います。数字の名前だけを見て、一緒にしないようにしましょう。
カクついた瞬間、FPSも落ちていますか
FPSは1秒間に描画した画像の枚数です。これが下がると画面の動きが粗くなり、通信が安定していても操作しづらくなります。ゲーム内の設定でFPS、Ping、ロスを表示できるなら有効にし、症状が出た時刻と一緒に記録します。
例えば、Pingがずっと25ms前後なのにFPSが144から35へ落ち、オフラインの練習場でも同じように止まるなら、描画負荷やPCの状態を先に見ます。逆にFPSは144のまま、Pingが25msから180msへ跳ねて位置が巻き戻るなら、通信の変化と症状が重なる例です。いずれも説明用の仮の数値で、25msや144FPSを合格基準にしているわけではありません。
下りが速くても、上りは詰まる
写真のバックアップ、動画配信、画面共有は、外へデータを送る上り通信を使います。そこが埋まると、小さなゲーム通信も機器内で順番待ちになることがあります。過剰な待ち行列によって遅延が膨らむ現象はbufferbloatと呼ばれ、IETFのRFC 7567でも待ち行列と遅延の関係が扱われています。
例えば、下り500Mbpsと表示される環境でも、バックアップ開始後だけPingが22msから160msになり、停止すると戻るなら、まず上り負荷との関係を確かめます。契約を変える前に、同期の時刻変更やアップロード速度の制限を試せるケースです。設定は使っているアプリの公式手順で変え、元の値も控えておきます。
負荷が高いことだけで、ルーターが故障しているとは言えません。QoS(通信の優先制御)や待ち行列制御が使える機器もありますが、機種や設定で効果が違います。無料で戻せる変更から始め、同条件の前後比較で役立ったかを判断します。
10分だけ、条件をそろえて試す
最初は大がかりな測定をしなくても構いません。ゲームの地域と端末を固定し、クラウド同期、更新のダウンロード、画面共有を一時停止します。自分以外の端末で大きな通信が走っていないかも確認し、その状態で数分遊んで症状を見ます。
- ゲーム内のFPS・Ping・ロスと発生時刻を控える。
- 同じPCを有線接続にできるなら、Wi-Fiを切って同じ地域・同じゲームで試す。
- 症状が残ればゲートウェイと外部宛てのPingを取り、宅内と外側の変化を比べる。
- 止めた通信を一つずつ戻し、どの条件で症状が戻るか記録する。
例えばWi-Fiでは最大220ms、有線では最大32msだったとしても、測定時刻が大きく違えば無線だけが原因とはまだ決められません。できるだけ近い時間に繰り返し、有線でだけ安定する傾向が続けば、ルーターの配置や電波を見直す材料になります。具体的な電波の確認はWi-Fiだけ不安定なときにまとめています。
ゲートウェイは、自宅の外へ出る入口となるルーターです。そこへの応答は安定し外部だけで変化するなら、外側の経路や負荷を調べる順番に進めます。ただしルーターや宛先がPingへの返信を制限する場合もあるため、測定だけで障害箇所を断定せず、Windowsでの2地点測定の例外も確認してください。
1ゲームだけなら、接続先も変数です
ゲームのサーバー地域が遠ければ、通信距離や経路に応じて往復時間も変わります。速度テストの近い測定サーバーと、ゲームの接続先が同じ品質になる保証はありません。例えば国内地域では30ms、海外地域では140msが繰り返し出るなら、まず選択地域を確認する例です。
別ゲームで平気でも、回線が全面的に正常と証明されたわけではありません。ゲームごとに通る経路、通信方式、必要な応答が異なるからです。公式の障害情報と地域設定を確認し、症状が一つのゲームだけか、通話や他のサービスにも広がるかを控えましょう。
記録がそろったら、相談先を選ぶ
FPS低下だけが残るなら、ゲームまたはPCメーカーへ、機種、OS、描画設定、発生場面を伝えます。ゲームだけの遅延や切断なら、運営へゲーム名、地域、日時、エラーコード、ゲーム内表示、有線比較の結果を送ると話が進みやすくなります。
有線の複数端末・複数サービスで悪化が続くなら、ISP(インターネット接続事業者)へ、日時、接続方式、外部とゲートウェイの測定、他通信の有無を渡します。問い合わせ用の下書きにまとめられます。測定で分かった事実と『外側ではないか』という推測を分けて書くのが大切です。
まだWi-Fiや端末を比べていないなら、乗り換え判断は保留で十分です。相談と無料の改善を経ても宅外の問題が反復する場合に、回線変更で変わること・変わらないことを確認しましょう。高いMbpsを買うだけで、今回の症状が解消するとは限りません。
参考にした一次資料
状況を整理したいときは症状から診断できます。測定値だけで故障や責任を確定するものではありません。